少し前、報告書のひな形を何点か刷新しました。そして思ったんです。 KPI って面白い! って……。以前、プランナー出の経営者が「自分はパラメーター調整が好きで一日中いじってしまう」とおっしゃっていたことがあるんですが、 確かにやってる事はシミュレーションゲームなんですよね。うまく仕組みが動いていくのを想像する期待感とやワクワク感も超! 似ています。
続きを読む作り手と消費者の温度差をどう埋めるか
通販ページの「お客様の声」を月1でチェックしています。
見ていていつも思うのは梱包や対応についての言及が予想以上に多いことです。商品の内容は調べて購入なさっているでしょうし、今はDL(ダウンロード)配信を利用する選択もあるので、あえて送料がかかる公式通販で購入するというのはお客様にとって特別なことだと思います。
一方で企業にとり受発注・発送・カスタマーサポートといった事務作業は、ミスなく迅速に丁寧であることが求められます。それ以上でもそれ以下でもないということも多いかもしれません。
ただ、前述したようにもはやパッケージを手にする、公式で買い物をするっていうのは他のお手軽な選択肢がある以上、お客様にとって特別な体験であるべき、なんですよね。特に対面販売が存在しないような企業では、カスタマーサポートがお客様と唯一接するところでもあるので、実際はかなり大事な役どころなんだと思います。
しかしたとえば梱包がどれだけ大事なんだろうか? と思うと、個人の感覚としては正直よくわからないのです。そこは個人個人で違うところでしょうし、製作スタッフからすれば、梱包が大事だとか自社の発送体制が製品の評価に影響しているというところまで気が回らないかもしれませんが、本当は正解があるのかもしれない、そしてそれを理解できていないだけなのかもなんてこともよく考えます。
クリエイターはともすればその辺のラーメン屋のおっさんみたいに「うちのラーメンは最高。気に入らねえヤツはとっとと帰れ」みたいになる要素を多分に孕んでいますが(でもこの全能感がなければクリエイトなんてできないとも思う)、逆に市場の評価を気にしすぎて精神を病む方もいますので、市場じたいの評価をクリエイターレベルが気にするのはよろしくないとも思っているので、これは完全に企業の話です。
じゃあどうするのか? ということですが、それは上司が正しくFBすることに他なりません。より責任が重い人が正しく市場を知り顧客を知り、指示をしていくという面倒くさく、古くからされてきたやり方です。しかしまたこの顧客を知るというのが難しいです。昨今いろんな企業や人が炎上しますが、「不利益を被らせてやろう」なんて考えている企業なんてありえなくて、むしろ「ここで喜んでほしい」という100%善意の結果だったりします。それはお客様のウォントを取り違えているのですが、意外と気づかないものです。なので企業は新卒の方や異業種の方を定期的に採用して組織の若返りをはかるのだと思います。
ひとつ言えるのは、企業がそういった顧客の優先順位や望みとどんどん隔たっていき、フィードバックされるものが何もない、あるいは正しくないという事は企業にとって恐怖でしかないということです。作り手<企業>と消費者の温度差はできるだけ少ない方がいい。にも関わらず、企業は構成する人間がその業務のレベルを突き詰めれば突き詰めるほど、顧客からは離れていく恐れがあるのです。なので情報の吸い上げを行い、クオリフィケーションを行って正しく現場にフィードバックする仕組みが大事だと思います。
コロナ前は、雑談レベルでそういった情報が入ってくることもありましたが、ほぼほぼリモートで全てが動いていく今は偶然耳に入るということ自体が少なくなりました。報告をしっかりと上げていくのは思いのほか大変だと感じます。ただその報告をもとに判断をしていくというある意味基本的なところが重視されているとも言えるので、悲観せず、そこをこれからも淡々と頑張っていきましょう。
なぜアウトプットは重要なのかについて考えた
海野商店街で見かけた胸熱なキャッチコピー
長野県上田市、北陸新幹線の停まる上田駅から1㎞ほど離れたところに、海野(うんの)商店街はある。
昭和の趣を残したレトロな商店が建ち並ぶそこに、1週間近く宿泊した。町全体に漂う昔懐かしい雰囲気は台北で見たそれと似ている。
↑中央2丁目の信号から横町の信号までの通りだと思う。裏にもお店がたくさんあってなかなか面白い通り!
そのうちに、ショーウィンドーにキャッチコピーが書いてあることに気づいた。
- 擬音語を多用
- 韻を踏んでいる
のが特徴だ。同じ制作者のものなのだろうか?
カメラを持って探し回ったら、意外と少なかったけれど、3店舗見つけた。写真を撮ったあと吟味してみたが、考えれば考えるほどクリエイティブだと思ったので紹介します。
喫茶ぽけっと
あいうえおーい
かきくけここだよ
やっほー
ひゃっほー
こけこっこー
さしすせそりゃっ と
たちつて飛んでみる
なになに ぬねぬね
今日ものりのりだぜ!
喫茶ぽけっとの店頭キャッチコピーのすごいところは
何を売っているのか(何をサービスとしているのか)わからない
ところではないだろうか。
にも関わらずやたら気合が入っている。
そりゃっ
とか
のりのりだぜ!
とか。
多少活気に乏しい店内と比べて、この熱いキャッチコピーは異彩を放つ。
実際に見たい方はこちら。
寺島理容館
チョキン
もひとつ
チョキン
ん?
ジヤキン
ほほう…
チョキッ
バサバサ
どっきり
すっきり
チョキン→ん?
の流れは完全に想定外の箇所を切り間違えられてそうですね。
寺島拓篤理容館で髪を切りたい方はこちら
まるよう
よくわからなかったのですが文房具屋でしょうか? 建物名からして自社ビルのようですし、問屋かもしれません。(海野商店街には他にも文房具屋あります)
染み込んだ色 イロイロ
吐き出したい色 オロオロ
破いてしまえ ビリビリ
でも白にはもう シラジラ
このペンで カクカクシカジカ
誰にもない色 イロイロ
ウロウロ オロオロ ゴホゴホ
行こう 行こう
その色で 行こう 行こう !
わたくしこのポエムに一番時間を使って考えてみたんですがどう考えても
画家か何かの心情吐露
にしか思えない。
しかも徘徊したあげく、結核っぽいニュアンスの病気を患ってしまったのが見てとれるではないか。
その色で行こう
じゃなくて
病院に行け
と言いたくなりますが、彼(?)は命燃え尽きるまで描くのだろう。
なぜか?
それは彼がアーティストだから……。
そんな物語を感じさせる味のある名キャッチです。
このキャッチコピーは丸陽ビルの1階で見ることができます。
終わりに
面白いキャッチコピーの商店街というと、文の里商店街が有名だ。しかし強引に笑わされている感がある。この素でやった面白さや工夫の仕方はもっと海野商店街は自慢すべきだと思う。
建て替えやリノベーションでなくすことなく、ずっと守り続けてほしい。
どういう経緯の製作なのかいつか知ることができるかもしれないので、まとめておきました。