鬼むぅブログ

女性向けゲーム(乙女ゲーム)業界でクリエイターとしてどうあるべきか、成長戦略を練るひつじぐもCEOのブログ。

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「好きなものに囲まれて働きたい」を志望動機にする3つのリスク

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ひつじぐもの採用においていうと、書類選考(エントリー)通過倍率は30倍を超えています。

私自身が一番見ているのは志望動機とかの文章なんですが、最近、何かのテンプレートのように「好きなものに囲まれて働きたい」と書いてあり、最初は何かのイタズラかとビビりました。

まさかどこかに理想の文例として書いてあるのだろうかとググッてみると……

http://ikejo.net/shop-baito-siboudouki-9465#6ikejo.net

本当にありました。

6.自分の好きな物に囲まれて働きたい

洋服が好き、などショップ店員になることで、自分の好きな物に囲まれて働くことができます。

また新しい商品を一番に見ることができるのもショップ店員です。

そのため「自分の好きな物に囲まれて働くのが夢だった」という志望動機もオススメです。

またアルバイト経験がまったくなかったり、ショップ店員として未経験であったりしても、しっかりした志望動機として面接で使うことができます。

雇う人も、一緒に働く人も、好きな商品に囲まれて、笑顔で明るく働いてくれる、バイトメンバーを待っているのです。

しっかり自分の好きな気持ちを伝えるようにしましょう。

確かに小売りをするショップに採用されたならば、そしてそのショップが好きなものばかりを取り扱っているならば、好きなものに囲まれて仕事をすることは、想像に難くない。

しかしそれをメーカーに伝えるとなると、ひつじぐもだけではなく、想定とは違うように受け取られそうですが……。

「応募した会社の商品≠好きなもの」と受け止められかねない

実際問題として大きいのはこれ。

つまるところ好きなものの定義です。

アニメ、ゲーム、シチュエーションCD。

市場にはいろいろありますが、「好きなものに囲まれる」べくメーカーに応募するということはすなわち「好きなもの=既存のメーカーの製品」でないとおかしいのではないか。

しかし、ひつじぐもだけでなく、他メーカーの話を聞いていても、どうもそうではないことが多い。

よくてそのメーカーの商品も含めた雑多なあれやこれ、のような?

好きなものを取り扱っている企業といっても、販社、メーカー、小売り、スマートフォン用アプリのパブリッシャーなど様々に存在している中で、ざっくり好きなものに囲まれたい、というのは「そうだよね、だからこの会社なんだよね」とはなりにくい。

自分が製作したものなら好きになるだろうから、将来的には好きなものに囲まれることになるということなんだろうか。

それとも業界に入るとっかかりにしたい?

とにかく何でもいいからCDを製作している会社に入社したいのであれば貪欲にそのくらい書いたほうがよほどPRになりそうです。

実際好きなものに囲まれているのだろうか

上記はクリアして、幸運にも(?)「メーカーの商品=好きなもの」だった場合。

それだけで企業からの好感度はかなり高い。

にもかかわらず、このふんわりした志望動機が仇になることも考えられます。

たとえばひつじぐものオフィスは整理整頓を大事にしているので、ゲームクリエイターという職種でイメージされる「机の上にフィギュアを飾っている人」「机の下に寝袋常備(これはきっと少なくなってるはずですが……)」みたいなのはいません。(これを好きなものに囲まれてる状態といってイメージする私の想像力もどうかと思いますが)

となると、好きなものに囲まれたいと志望動機に書いたばかりに、

(うちの商品に囲まれる生活が重要な人なんだな。でもあまり囲まれるような仕事を提供できないからいちファンでいてもらおう……)

となりやすいのではないだろうか。

小売店舗ならともかく、一般非公開のオフィスを「好きなものに囲まれている」と定義してしまうと、「そもそもそれは違うな」というリスクが発生しやすいような気がします。

そもそもみんな好きだから……

好きなのは当たり前なので(というか好きでないと志望しない)、「好きだから」を志望動機にされても決め手になりにくい。

好きと働くは明確に違う

じゃあ実際にどういう人が働いているのだろう?

周囲では、

「全然知らない世界だったが面接してもらって受かった」

「いろいろやろうとしたが、結局この仕事しかできなかった(この仕事が一番評価されている)」

「自分探しの果てにたどり着いた」

みたいな例が多い。

彼女たちは、親戚から「好きなことを仕事にできて羨ましい」と言われる体験が往々にしてあって、しかし皮肉にもそう言われる人はたいていグロ系とかをやりたがっていて、実際のところやりたいことは仕事にできてなかったりするんですが、なんとなく外からは「好きなことして、自由に生きて、キラキラして見える」。

好きなことを仕事にすることそれじたいに罪はなくて、素晴らしいこと。

だけれども、好きなだけであれば、メーカーの人間は「ずっと好きでいてほしい」と思ってしまうものなのです。

好きなことと働くことは明確に違う。

そこをあえて紐付けようとするのなら、好きなことは動機でいいので、それに関わる仕事がしたいがために、いったいどんな努力をしたのか。これからどういう働き方をイメージしているかを文章で伝えることが重要です。

ひつじぐもはシナリオライターが多い会社ですが、シナリオライターで採用されずとも、メーカーに採用されるとなれば、広報をやったり営業をしたり、文章で人を動かすことをやっていかないといけない。

好きなものに囲まれたいのか、それとも、どうしてもこの業界で仕事がしたいか、しかしなんでもいいので、これまでの実際の自分を自分の文章でアピールするのが一番ですね。