シナリオライターになる事を踏みとどまる不思議な本
昨日、お貸ししていた本が戻ってきました。
採用前に、業務未経験でシナリオを執筆したことのない方に、この本を読んでシナリオを書いてみて、と渡すようにしている本です。
総合科学出版
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今年の1月から未経験で入社して働いている新人の子がいるのですが、彼女は、これを読んで、無人島課題のシナリオを書いてきてくれました。
(というか募集もしてないのに、勝手に会社に原稿を送りつけられた)
「どうやって書いたの?」
「吉神あや先生のシナリオの本を読んで、書いてみました。立ち絵の表情指示挿入とかは最初入れていたんですが、必要ないような気がして途中から入れていません」
「それはすごい本だね。ちょっと持って来て見せて!」
というのが出会いで、結局ひつじぐもでも1冊購入しました。
彼女は今は立派に活躍しています。
実際のところ、私自身はあまり丁寧に目を通してはいないのですが、業界への入り口として優れた本なのだなと思っています。
シナリオを書く意味については、出来がどうこうというよりも、入社するとなればこちらも時間を使う以上、ある程度業務に対するイメージができていることが望ましく、それを無理なくやれるであろう。
という思惑があります。
実際、かなり具体的にシナリオライティングのフローが描かれており、この本を読んで、シナリオライターになることを踏みとどまった方が、知っているだけで数名。
文章を書くことに特別な才能はいらないと思うのですが、20歳を過ぎて、まったく何も書いた経験がない、ということは向いていないという可能性もあります。
なりたい人は、在学中だろうと、仕事をしながらだろうと、何かをやっている……ような気がします。
私は10年前、ある人にシナリオライターにしてもらったのですが、それまで同人小説を書いたり、当時大好きだった「鬼哭街」や「沙耶の唄」を抽出ツールを使ってシナリオを抽出して(褒められたことではありませんが)、シナリオを研究していました。
↑沙耶の唄はグロテスクな描写があるためか、アダルト版の販売のみ……。
結局、私のやりたかったことはシナリオじゃないんだというのが数年ののちにわかるのですが、それも一度シナリオライターになったからこそ自分を見つめ直せたこと。
秋は転職したくなる季節……なのかもしれません。いいご縁が私たちにありますように!