鬼むぅブログ(転生 Ver.1.02)

感じたことを時々綴ってます

MENU

どうして同人をやっちゃいけないの? クリエイターの抱える罪悪感とその業

f:id:shimadarui:20201219231031j:plain
久しぶりに風邪を引きました。

 

病院に行くのを伸ばしてたら耳が痛くなって、会社の前のセンタービルの内科に駆け込んで少し寝たらだいぶん回復しました。が、福岡は昨日から急に寒くなりました。皆様もお風邪を召されぬようお気を付けください。

 

休みがてら、数日前から考えていることを。

 

それは、ある人から「ひつじぐもは同人禁止なの?」と言われたことが事の発端になっています。

 

 

ここでいう同人というのはオリジナルの創作活動ではなくて、既にある原作の設定を使って、自分の創作活動をする、いわゆる「二次創作」を指しています。

 

実際私も起業する前、同人活動やっていたこともあり、同人の楽しさがよくわかります。まどマギは大好きだから、同人やりたいと思ったりもしました。まあ、思うだけですよね。

 

「こういう話欲しいよねー」

「欲しーい」

「書きたーい」

 

これで終了です。

 

というわけで、ひつじぐもでは基本的に同人は禁止でした

 

今まで当たり前すぎて誰にも言ったことがなかったのですが、来春から入社のスタッフには、釘を刺しておこうと思っています。

 

そもそもコンテンツホルダーが他社の作品をパクって金銭的な利益をあげるというのはありえない。もちろん、原作者が許諾を出しているものは話が別です。

 

そして、権利的にクリアしていたとしても、熱狂させるコンテンツをつくるという経営理念があるひつじぐもで他社のコンテンツに熱狂するのは、(人の心は止められないものだとしても)プロとして微妙だな、と周りから思われるでしょう。

 

同人者とそれで生計をたてる者には深い溝がある……

 

これを、同人大好きな友人(一般人)に説明したところ、まったく理解してくれないわけです。

 

「無料ならいいの?」

「Pixivならいいの?」

 

実際のところ、無料だったり、Pixivで公開したりするのは許容できる。

 

しかし、本質はそこじゃない。(そしてそういうのもいやらしいなーと思う)

 

「確かにゲーム会社に勤めてる人、みんな秘密にしてるんだよね。『他の人に悪いから』とか言って。でも漫画家とか、同人やってる人いっぱいいるじゃん」

 

漫画家とゲーム屋だと似ているようで、風土がまったく違う気がするのですが、つまるところ「プロ意識」なのかなあと思います。

 

国際展示場駅

 

たとえば、ナガオカさんが進撃の巨人でエロエロな同人誌を出すとする。すごく売れると思うですよ。でも、それをしない。なぜかというと、ナガオカさんの描くものはただ一本の線であっても商品価値があるからです。それを無料であっても、みだりに見せたり、あろうことか他社の権利を侵して売名や商業行為に走るのは、プロとして許されない。

 

そう言うと、「でもファンの人ナガオカさんの二次絵みたいじゃない」と返されて、キャッチボールできない感になってしまったので、そもそもこの罪悪感を感じる空気というものが、その空気を吸っていないとわからないものかもしれません。(空気って言葉嫌いなのでそこで片付けたくはないのですが)

 

同人活動が大好きでなおかつプロレベルの技量を持った方は大勢います。

 

しかし、プロレベルの技量を持つ人≠プロなのですよね。

 

見て見ぬ振りをするくらいにはオトナの対応をします。ただし別人なら

 

ただ、個人の創作活動に会社としては制限はできないので、「もしやる時は死ぬ気で、そして会社にバレないようにしてください」としか言いようがありません。(ちなみにオリジナル活動は別なので仕事に支障がない範囲でどんどんやればいい)

 

禅

 

それはやっぱり、今は未熟でも、つくったものに対して対価をもらうべき立場である者が、他のコンテンツにただ乗りしてはいけないから。

 

みんなやってるからとか無料だからとか、オリジナルのお話でグレーゾーンだからとか、他人にも自分にも言い訳はたっぷりできて、かたやほぼ精神論なので、あまり説得力ないかもしれませんが、ひつじぐもでは「机は整理整頓して綺麗に使おう」レベルの当たり前のお話でした。

 

ちなみに、これは自社の話。

 

フリーランスの方は、実際のところ同人活動が生計の一部になっている感が否めないので、「この人プロじゃないなー」とか、思いません。

 

趣味で二次創作なさる方はなおさらです。

 

自分で責任が取れる範囲内で創作活動を楽しんでほしいです。だって何かをつくること、手にすることは楽しいですからね!

 

生活がある程度保障されているからこそ、他社のタイトルを大事にする。自社のタイトルはもっと大事にする。を心掛けています。

 

※これは2013年当時のオピニオンですが、ソーシャルゲームも一般化し、同人活動をはじめとしたファン活動を著作権者(いわゆるIP)がほぼ公認する時代になったと感じています。現在は本業に影響がなければどうぞご自由に、というスタンスです。2020/12/19