鬼むぅブログ(転生 Ver.1.02)

感じたことを時々綴ってます

MENU

2人以上ができないと言ったら、それはやる価値がある

f:id:shimadarui:20170526130952j:plain

ある題材をプロジェクトに取り扱いたいが、規制の関係でできないという人がいた。

とはいえ、特に文章でこれこれがいけない、とされているものでもない。つまりエビデンスはない。

いくらでもやりようはある

と私自身は思っていたから、やりたいのならやればいいと応援していた。しかし本人の考えは、一向に変わることがない。

その話題になったのは偶然のようだが、先日、取引先との打ち合わせでその題材は扱えないと言われて、むしろ本人の中で決定打になってしまったようだった。

続きを読む

シナリオライターのセミナーを明日やります!

f:id:shimadarui:20170127231722j:plain

さっきまでばたばたとスライドの準備をしていました。

乙女ゲームのシナリオライターへの第一歩を踏み出すセミナーはたまに見かけますが、一歩先に進んで……

「採用される乙女ゲームシナリオライターへ ~戦略的サンプルシナリオの作り方とは?~」

1月28日(土)に、セミナー開催決定です!

私のワガママでどうしても内容を一部抜粋したくて、このブログで紹介するのがギリギリになってしまいましたが、現在のところ参加人数は少ないので、期限をぎりぎりまで延ばしてもらいました。

参加条件が厳しく、お尋ねを何件かいただきましたが、そちらについても、

「商業経験さえあれば、是非いらしてください」

と回答するようにしてもらってます。

  • なぜ参加条件を絞ったのか?
  • で、実際にどういうことを話すの?
続きを読む

企画初心者に向けたい、企画の入り口と出口

f:id:shimadarui:20161230075233j:plain

企画職を目指す方に向けて、よくある企画の作り方と、おすすめしたい企画の作り方をご紹介します。

乙女ゲームとはいえ、プロデューサーやディレクターにはまだまだ男性が多い昨今ですが、私たちひつじぐもが各社のプロジェクトをお手伝いさせてもらえるのは、女性をターゲットにしているがゆえの難しさが関係しているのかもしれません。

少し前のことですが、「女性向は企画がシンプルすぎて逆に苦戦している……」と言われたことがあります。

男性向(一般向)は、これとこれとこれをやれば鉄板だ、みたいな法則がどうやらあるっぽいのですが、女性は感覚で合う、合わないを判断するようだと。そしてその感覚は、消費者に限りなく近くないとわからない……。(聞いた話なので実際には違うかもしれません)

目次

  • 目次
  • ◯◯モノからの入り口
  • ◯◯企画のリスク
  • 出口から考える企画を提案したい
  • もう少し具体的な企画書の話
続きを読む

ホラー初心者に見てほしい「◯◯人間」3選をフルコースにたとえてご紹介

f:id:shimadarui:20161229215126j:plain

最近、この「◯◯人間」を人に薦めたくてたまらない病に罹患しています。問題は、ホラーゆえに、誰彼薦めていいタイトルではない、ということでしょうか。

「最近面白い映画観たんだよね」

「何? 教えて」

「ムカデ人間」

「どんな話?」

「一言でいうとマッドサイエンティストに拉致された男女が結合させられてムカデ人間に改造される話」

「何それ。超面白そう!」

となればいいのですが、たいていこんなことを言うタイプは既に観たことがあるくらいの名作です。

なので、今回は、そんな方にも楽しめるようにフルコース風(あくまで風)に「◯◯人間」をテーマにした映画を紹介したいと思います。

続きを読む

強さの本質

f:id:shimadarui:20161224225421j:plain

先日、ある女性社長の書籍を読んだ。

ブログを頻繁に更新されている彼女は、メディアにも顔を出していて、広報戦略はお手の物。

有能なスタッフや笑いの絶えないオフィスがWantedlyで売りになっている。そんな、何もかもキラキラした存在、という印象だった。

が、その印象は、この書籍を読んで180度変わった。

続きを読む

「好きなものに囲まれて働きたい」を志望動機にする3つのリスク

f:id:shimadarui:20160414080230j:plain

ひつじぐもの採用においていうと、書類選考(エントリー)通過倍率は30倍を超えています。

私自身が一番見ているのは志望動機とかの文章なんですが、最近、何かのテンプレートのように「好きなものに囲まれて働きたい」と書いてあり、最初は何かのイタズラかとビビりました。

まさかどこかに理想の文例として書いてあるのだろうかとググッてみると……

http://ikejo.net/shop-baito-siboudouki-9465#6ikejo.net

本当にありました。

6.自分の好きな物に囲まれて働きたい

洋服が好き、などショップ店員になることで、自分の好きな物に囲まれて働くことができます。

また新しい商品を一番に見ることができるのもショップ店員です。

そのため「自分の好きな物に囲まれて働くのが夢だった」という志望動機もオススメです。

またアルバイト経験がまったくなかったり、ショップ店員として未経験であったりしても、しっかりした志望動機として面接で使うことができます。

雇う人も、一緒に働く人も、好きな商品に囲まれて、笑顔で明るく働いてくれる、バイトメンバーを待っているのです。

しっかり自分の好きな気持ちを伝えるようにしましょう。

確かに小売りをするショップに採用されたならば、そしてそのショップが好きなものばかりを取り扱っているならば、好きなものに囲まれて仕事をすることは、想像に難くない。

しかしそれをメーカーに伝えるとなると、ひつじぐもだけではなく、想定とは違うように受け取られそうですが……。

「応募した会社の商品≠好きなもの」と受け止められかねない

実際問題として大きいのはこれ。

つまるところ好きなものの定義です。

アニメ、ゲーム、シチュエーションCD。

市場にはいろいろありますが、「好きなものに囲まれる」べくメーカーに応募するということはすなわち「好きなもの=既存のメーカーの製品」でないとおかしいのではないか。

しかし、ひつじぐもだけでなく、他メーカーの話を聞いていても、どうもそうではないことが多い。

よくてそのメーカーの商品も含めた雑多なあれやこれ、のような?

好きなものを取り扱っている企業といっても、販社、メーカー、小売り、スマートフォン用アプリのパブリッシャーなど様々に存在している中で、ざっくり好きなものに囲まれたい、というのは「そうだよね、だからこの会社なんだよね」とはなりにくい。

自分が製作したものなら好きになるだろうから、将来的には好きなものに囲まれることになるということなんだろうか。

それとも業界に入るとっかかりにしたい?

とにかく何でもいいからCDを製作している会社に入社したいのであれば貪欲にそのくらい書いたほうがよほどPRになりそうです。

実際好きなものに囲まれているのだろうか

上記はクリアして、幸運にも(?)「メーカーの商品=好きなもの」だった場合。

それだけで企業からの好感度はかなり高い。

にもかかわらず、このふんわりした志望動機が仇になることも考えられます。

たとえばひつじぐものオフィスは整理整頓を大事にしているので、ゲームクリエイターという職種でイメージされる「机の上にフィギュアを飾っている人」「机の下に寝袋常備(これはきっと少なくなってるはずですが……)」みたいなのはいません。(これを好きなものに囲まれてる状態といってイメージする私の想像力もどうかと思いますが)

となると、好きなものに囲まれたいと志望動機に書いたばかりに、

(うちの商品に囲まれる生活が重要な人なんだな。でもあまり囲まれるような仕事を提供できないからいちファンでいてもらおう……)

となりやすいのではないだろうか。

小売店舗ならともかく、一般非公開のオフィスを「好きなものに囲まれている」と定義してしまうと、「そもそもそれは違うな」というリスクが発生しやすいような気がします。

そもそもみんな好きだから……

好きなのは当たり前なので(というか好きでないと志望しない)、「好きだから」を志望動機にされても決め手になりにくい。

好きと働くは明確に違う

じゃあ実際にどういう人が働いているのだろう?

周囲では、

「全然知らない世界だったが面接してもらって受かった」

「いろいろやろうとしたが、結局この仕事しかできなかった(この仕事が一番評価されている)」

「自分探しの果てにたどり着いた」

みたいな例が多い。

彼女たちは、親戚から「好きなことを仕事にできて羨ましい」と言われる体験が往々にしてあって、しかし皮肉にもそう言われる人はたいていグロ系とかをやりたがっていて、実際のところやりたいことは仕事にできてなかったりするんですが、なんとなく外からは「好きなことして、自由に生きて、キラキラして見える」。

好きなことを仕事にすることそれじたいに罪はなくて、素晴らしいこと。

だけれども、好きなだけであれば、メーカーの人間は「ずっと好きでいてほしい」と思ってしまうものなのです。

好きなことと働くことは明確に違う。

そこをあえて紐付けようとするのなら、好きなことは動機でいいので、それに関わる仕事がしたいがために、いったいどんな努力をしたのか。これからどういう働き方をイメージしているかを文章で伝えることが重要です。

ひつじぐもはシナリオライターが多い会社ですが、シナリオライターで採用されずとも、メーカーに採用されるとなれば、広報をやったり営業をしたり、文章で人を動かすことをやっていかないといけない。

好きなものに囲まれたいのか、それとも、どうしてもこの業界で仕事がしたいか、しかしなんでもいいので、これまでの実際の自分を自分の文章でアピールするのが一番ですね。

ノベルゲームらしいノベルゲームはこれからインディーズが実現するようになるのだろうか?「ファタモルガーナの館」

2日間、寝る間も惜しんでプレイしました。

期待以上の傑作です。サークル「ノベクタクル」の放つノベルゲーム「ファタモルガーナの館」。

ファタモルガーナの館

かまいたちの夜」や「428 ~封鎖された渋谷で~」のような読み応えのあるノベルゲームを発作的にやりたくて、いろいろ調べた結果、ちょうどDLsite.comダウンロード販売されていて、すぐにプレイできそうだったので購入。

もともと2012年末に同人ゲームとしてリリース。

その後活動の幅を広げ、弊社の取引先のでもあるHOBIBOX様で商業流通されていた記憶があり、前々から気になっていたのも決め手でした。

↑こちらもすごくオススメです。

オーソドックスなビジュアルノベルで、選択肢によってエンディングが分岐していきます。

呪われた館で目覚めた「あなた」は、自分自身を失っていた。

記憶はおろか、生きているのかどうかも分からない。

そんな「あなた」を、館の主だと告げて慕う女中がいる。

彼女に導かれて、館の様々な時代で起きた悲劇を「あなた」は目撃していく。

f:id:shimadarui:20160207182012j:plain

(c)Novectacle

というあらすじ通り、ミステリアスな女中に手を引かれて、様々な扉を開けて、屋敷の過去を「見て」いきます。

それぞれの屋敷の過去は美しくて、もの悲しい。童話の世界のよう。

一番目の扉では、兄を王子様と慕う貴族の少女が、その恋心の逸るままに、兄と白髪の娘を陥れる。

f:id:shimadarui:20160207181949j:plain

(c)Novectacle

二番目の扉では、獣と呼ばれ迫害された青年が、平穏を望む半面、自身の凶暴性を抑えられなくなり、最後には恋人すらも惨殺してしまう。

f:id:shimadarui:20160207181936j:plain

(c)Novectacle

三番目の扉では、白髪の娘を愛しすぎたばかりに、彼女を幽閉してしまい、最後に彼女を失った青年実業家。

f:id:shimadarui:20160207182129j:plain

(c)Novectacle

いずれの扉の先でも、白髪の娘が現れ、悲劇に巻き込まれてゆく。

毎年夏にテレビが幾度となく放映するちょっと怖い怪談話のようなオムニバス。

実際のところ、みっつめの扉を開けて戻った時点で、「ああ、もうそろそろ転かな、終わりかな」と思っていたのです。

が、その三番目の扉の後から物語が急転していき、転だと思っていたものは、「起」の「転」だったのか! とかなり焦りました。

四番目の扉のあたりで、一度検索し直して、総プレイ時間を確認。シナリオ量4M……!

4Mって、いまいち実感しづらいですが、2,000,000文字です。文庫本でいうと、6~7冊にあたります。

これをスラスラと読ませるわけですから、このシナリオ力(?)の高さがおわかりいただけるかと思います……。

オムニバスだなと思っていたものは、まさしく序章だったのです。

数時間でプレイし終えるだろう……と思っていたので、一旦ここで中止して、翌日プレイを再開。

それからは、綺麗に伏線や謎が収束していって、確かに上質のミステリーでした。

一言で言うと、輪廻転生のお話なんですが、罪があり、悲劇があり、成長があり、そして赦しがある。

素晴らしいタイトルでした。

ミステリー系の映画や小説がお好きな方には是非おすすめしたい。

退廃的な雰囲気も魅力的です。

最近の商業ゲームでは、選択肢だけのノベルゲームでも(もはや選択肢だけというのも珍しくなってはきていますが)、目パチしたり口パクしたり、ボイスが付いたりとリッチな表現が標準になってきている感があります。

文章と、最低限のビジュアル(絵)と、音楽で楽しませるという、シンプルな表現は何にも勝るものなんですね。

リッチな表現をてんこもりにするのよりも、シンプルにすることは、正直勇気がいる。

でも、そうする事で、本当に読み物としての面白さを追求できている!

さて、特にアプリ市場におけるノベルゲーム(特に恋愛シミュレーションゲーム)はソーシャル機能が標準。

先を読むのにチケットを回復させて、ガチャを回して、アバターに課金して……と、ノベルそれ自体に集中できないスタイルが多くなっていますが、もっと根本的に面白くするには!?

……と、ここのところ、「ゲームの表現」についてずっと考えていたので、原点回帰という点でとても参考になりました。

厚塗りの絵は好みが別れそうですが、それで倦厭するのは本当に勿体ない。

ベクタクルさん、これから追いかけていきたいです。

自主製作サークル - Novectacle ノベクタクル -

「ファタモルガーナの館」体験版もあります。

ファタモルガーナの館

ファタモルガーナの館

ファタモルガーナの館

ファタモルガーナの館

  • Gengosha Inc.
  • ゲーム
  • ¥960